各社の富士フイルム用56mm単焦点レンズを比較
直近では富士フイルムからも純正の56mm単焦点レンズが発売され、富士フイルム用56mmの選択肢が4つあります。どのレンズがどう良いのか、価格・スペック含め比較してみたいと思います。
外観
富士フイルム / XF56mmF1.2 R WR
Sima / 56mm F1.4 DC DN | Contemporary
シグマのレンズは絞りリングがない分、全長が短くなっています。
Kenko Tokina / atx-m 56mm F1.4 PLUS
Kenko TokinaのこちらのレンズはViltroxのOEMで作られているという話を聞いたことがありますが、見た目が確かにViltroxそっくりですね。
Viltrox / Viltrox 56mm F1.4 STM
スペック比較
スペックの比較です。
純正 | sigma | Tokina | Viltrox | |
---|---|---|---|---|
開放F値 | F1.2 | F1.4 | F1.4 | F1.4 |
質量 | 445g | 280g | 305g | 290g |
絞りリング | あり | 無し | あり | あり |
最短撮影距離 | 50cm | 50cm | 60cm | 60cm |
最大撮影倍率 | 0.14倍 | 0.135倍 | 0.1倍 | 0.1倍 |
販売価格 | 132,000円 | 44,550円 | 57,091円 | 38,870円 |
ざっくり気になったところを書き出してみると、
●開放F値は富士フイルム純正だけがF1.2です。ただそのせいなのかかなり重たいです。
●対してシグマは280gと最軽量ですが、絞りリングがついていません。
●絞りリングについては恐らく富士フイルム純正にだけクリック感のある仕組みが採用されています。
●最短撮影距離や最大撮影倍率に微妙な違いはありますが、ほぼ気にする必要はないのかなと個人的には思います。
●価格は富士フイルム純正が飛び抜けて高いですが、開放F値や写りの良さを考えると妥当な値段なのかなとも思います。
懸念事項
サードパーティーレンズのAFの速さはどうなのか
サードパーティレンズとなると不安なのが、AFが遅いのではというものですが、こちらについてはそこまで心配する必要はないのかなと思っています。色々な方がYoutube等でレビューされていますが、AFが遅くて使い物にならないといった意見は無いように思いました。
特にスチル写真専門で撮る場合かつ、風景や商品の置き撮りで使う場合は、AF速度についてはほぼ気にする必要はないのかなと思っています。
TokinaのレンズはViltroxのOEMなのか?
噂によるとTokinaのレンズはViltroxのOEMとして作られているという話も聞きます。ということであれば本家のViltroxを買っておこうかなとも思います。
選ぶ基準
F1.2は本当に必要か
F1.4ではなくてF1.2が必要な場面がどれだけあるかというものです。開放F値が明るければいざというときに絞りを開けられるという気持ちの余裕はあるかもしれませんが、その0.3段分のために高いレンズを買う必要はあるのでしょうかという点はよく考えた方が良いかなと思います。
富士フイルムの開放F1.2にしかできな表現があるというのであれば迷わず富士フイルム純正で決まりかなと思います。
ただ、日中の屋外の撮影となると、F1.2だと明るすぎてシャッタスピードも足りないといった事態にも陥ることもありますし、他にも絞りを開け過ぎると背景がボケすぎてどこで撮ったものか分からなくなる場合もあったり、風景なんかでは逆に絞って撮ることの方が多いので、一概に開放F値が明るいことが正義とは言い切れないと思います。
写りの良さの見分けがつくのか
純正の写りの良さや、逆にサードパーティ製レンズの写りの悪さについて、具体的に違いが分かるのであれば純正を選べば良いと思います。逆に写りの良さについて分からなかったり、サードパーティ製レンズの弱点に納得できるのであればサードパーティ製レンズでも良いかなと思います。
絞りリングにクリック感は必要か
個人的にはここが一番大きな問題なのですが、富士フイルム純正レンズには絞りリングを回すときにクリック感があり、特定のF値にぴったり合わせることができます。対してサードパーティ製レンズの絞りリングにはクリック感が無いようで、無段階に調節ができるとのことです。
僕は無段階に調節できるのが気持ち悪いので、クリック感のある絞りリングのためだけに純正を選んでも良いかなと考えています。
反対に動画を取る人にとってはリングがスムーズに回せたり、クリック音が無い方が都合が良い?のでしょうか。
持ち運びしやすいか
絞りリングの次に重要なポイントだと思うのが、この「持ち運びのしやすさ」です。
上の表の「質量」の欄を見てみると、純正レンズはサードパーティ製レンズの1.5倍くらいの質量があります。下手するとカメラ本体くらいの重さが純正レンズにはあります。
仕事で使うのであれば持ち運びのしやすさは後回しで、純正の安心感や使い勝手の良さを優先すると思いますが、趣味であれば気軽に持ち出せるかどうかはかなり重要だと思いますので、ここはよく考えて買ったほうが良いかなと思います。
サードパーティを使っていることに納得できるか
最後に、値段や重さなどでサードパーティ製を選ぼうか迷っている場合に言いたいのが、サードパーティ製で納得できるのかというものです。撮影の度にサードパーティ製レンズの付いているカメラを眺めて、純正だったらもっと格好良いのになと後悔しなようにはした方が良いかなと思います。