2020年10月28日に富士フイルムXシリーズにファームウエアのアップデートが来ました。
事前情報ではX-T4同等のフォーカス性能の実現のようなことが中心で、正直「へー」くらいにしか思っていなかったのですが、その中のある機能が僕にとっては待ち望んでいたものだったので紹介しておきます。
ver4.00アップデート内容
公式の案内をまずは載せておきます。
AEロック中にフォーカスポイントが移動できるようになった!
タイトルの通りAEロック中にフォーカスポイントが移動できるようになりました。
右肩にある「AE-L」とあるボタンが露出を固定するボタン、Qボタンの下にあるレバーがフォーカスポイントを移動するレバー、画面の中央に見えている白い四角がフォーカスポイントです。
以前まではAE-Lボタンを押して露出を固定すると、なぜかフォーカスポイントが移動できなくなるという仕様になっていましたが、今回のアップデートでこれが改善され、スチルのときもムービーのときもAEロックしながらフォーカスポイントを自由に移動できるようになりました。
AEロックして撮ったほうが良い理由
現場で露出を追い込みやすい
そもそもAEロックは必要かという話ですが、僕はめちゃくちゃ使います。
カメラはセンサーに入り込んでくる光の量や被写体の色(白いか黒いか)などを基に露出を決めてくれます。これが自動露出で、便利な半面映り込むものが変わると都度それに合せて露出がコロコロ変わります。
最近のカメラは極端に変わらないようなアルゴリズムが設定されているものもありますが、富士フイルムのカメラはその辺があまり優秀でないのか、ちょっとカメラを動かしただけで露出がすぐに変わってしまい、撮りたい明るさに設定するのが結構めんどくさかったです。
僕は正確的に結構几帳面なので、現場できっちり露出も決めたいし、明るすぎたり暗すぎたら微調整したいタイプなのですが、微調整のときにさっき撮った写真の露出から0.3段下げたいなどといったときにさっきの露出が分からないとマジでイライラします。
逆にさっき撮った写真の露出があって、微調整しながら求める露出に追い込んでいくことができる方がスムーズに撮影できるのでAEロックはめちゃくちゃ使います。
ただ、富士フイルムのカメラではAEロックするとフォーカスポイントが移動できなくなるせいで、フォーカスポイントとピントを合せたい被写体がズレているときに、一枚撮る度にピントを合せて撮りたい構図にしてという面倒な作業が発生していました。
先に構図とフォーカスポイントを決めてからAEロックという方法もあるといえばあるのですが、それにしても構図を微調整したり縦横を変更したりすると毎回カメラの向きを変えてピントを合せないといけなくなるので、実用的ではありませんでした。
ですが、AEロックしてからでもフォーカスポイントが移動できるようなったことで、撮りたい被写体と露出を決めたら、あとは構図を微調整しながら撮っていくという自然な流れで撮影できるようになりました。
RAW現像のときに楽
RAW現像のときには、同じシーンには同じパラメーターを割り当てませんか?
そのときに写真の露出が微妙に違うと、全く同じパラメーターを当てたとしても仕上がり方が異なってしまいイライラします。
暗ければ明るく、明るければ暗く、その都度調整すればよいだけの話じゃないかと言われそうですが、気持ちの問題として露出がバラけているかもしれないと思うだけでイライラしてくるので、どこからどこまでの写真が同じ露出でということは把握した上でRAW現像したいです。
若干話しは逸れますが、マニュアル露出の楽さはここにあります。
一度露出を決めて以降ずっとその露出で撮れば、RAW現像でも同じパラメーターを当てるだけで同じ印象の写真が一気に仕上がり、作業時間的にも気持ちの面でも楽です。
ISO感度が分かった上で撮れる
これも富士フイルムのカメラだけの問題かもしれませんが、AEロックを押さないと現在のISO感度が表示されません。ムービーのときは上の写真のようにAUTOと表示され、スチルのときは上限に設定した感度が表示されます(上限を6400にしていたらずっと6400と出ます)。
僕の撮り方として、露出を明るくして撮るべき場面であっても、高感度すぎてノイズザラザラになるのは嫌なので、そのときは諦めて後にRAW現像で明るくすることにして、現場ではあえて露出を下げるようなことをするのですが、それも今現在のISO感度が分からないとやりようがありません。
そもそもカメラは「絞り・シャッタスピード・感度」を調節することが醍醐味というか当たり前であると思いますので、それらのパラメーターが把握できていない状態で撮るというのは、個人的にはめちゃくちゃ気持ち悪いです。
しかも前まではAEロックとフォーカスポイントの固定がセットだったので、なかなか使いづらかったのですが、今回のアップデートでそれが改善されました。