RAW現像の話

RAW現像|写真がダサい原因はコレかも・・・

RAW現像の話
まえがき

特に始めてRAW現像ソフトを導入したときに課題として直面するのが「なんかダサい」という問題ではないでしょうか。

よく見るああいう雰囲気に仕上げたいのに、なんか違う。なんかダサく見える。

自分もまだまだ初心者ですが、初心者なりにダサさを解消するためのポイントと思われるものを、自分への戒めとしてもまとめましたので、よろしければ参考にして下さい。

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ダサい原因

要は「〇〇過ぎる」のが良くないのではと思います。

特にRAW現像ソフトを導入したてのときには、スライダーをいじると写真の印象がガラッと変わるので、それが楽しくていろいろいじってしまうということが多いと思います。それが下で言う「鮮やかすぎ」「明るすぎ」といった状態に繋がってしまうのだと思います。

また、RAW現像の始めたては、まだまだ人の写真をじっくり見る機会が少ないことから、「真ん中がどこか」がわからないのではと思います。

僕もまだまだ修行中ですが、最初の頃に比べれば、人の写真を見たり自分の写真を比べたりする中で「やりすぎ」「やらなさすぎ」が少しずつ見えてきたように思います。

彩度が高すぎる

まずは「彩度が高すぎる」です。

RAW現像ソフトに写真データを取り込んだ状態では、デフォルトで「低コントラスト」や「ニュートラル」のようなプロファイルが割り当てられていない限りは、結構色鮮やかに見えるのではないでしょうか。

撮ったまんまです。これでも良いといえば良いかもしれないです^^;

色がしっかり出ていて、場合によっては綺麗っちゃ綺麗なんですけど、なんか自然じゃないというか押しが強すぎるような気がします。

また、昔ながらの町並みなんかを撮ったときも、本当は年季の入った渋い感じを出したくても、カメラやRAW現像ソフトはお構いなしに写った色を再現しようとしてきますので、こういう場合もなんか違うなと思うことが多いと思います。

タイトルにも書きましたとおり、「要は彩度が高い・色鮮やかすぎ」がこの場合の原因かと思います。

現像ソフトのパラメーターは上げるもの・足すものだと(自分だけ?^^;)最初の頃は勘違いしてしまうかもしれませんが、パラメーターを下げても良いわけです。

彩度を下げて鮮やかさを減らす、明るさを下げて暗くするなど、「引く」方向の調整をやるようになると破綻することも少なくなるように思います。

余談

完全に余談ですが、昔サークルでPA(音響担当)をしていた頃、音を「引く」ことを学びました。
普通に考えるとボーカルやギター、ドラムなどの音をどんどん乗っけていって全体のサウンドを作りたいと思ってしまいがちですが、それだといずれ音量に限界が来て、目立たせたい音を目立たせることができなくなります。

解決方法としては、目立たせたいもの以外の音を「引く」ことです。

機材の関係で、出せる音の最大は決まっているので、そこに到達した時点でそれ以上の音は出ません。なので、出せる音の大きさの中で優先順位を考えて、何を強調すべきで、何を強調すべきでないかを考えて、強調すべきでないものは引いていく必要があります。
引いていくことで目立たせたいものが目立ってきます。
これはRAW現像とも似ている部分が多いのではと思います。

暗くすると彩度が上がってしまうよ

一つ気をつけたほうが良いポイントとしては、「暗くすると彩度が上がる」というものです。

彩度が上がるというか色が濃くなるのですが、露出を下げたりコントラストを上げたりすると色が濃くなるので、もう一度彩度の調整を見直す必要があります。

RAW現像ソフトによってはトーンカーブのところに、RGBカーブ以外に「輝度カーブ」なるものがついており、彩度を変えずに明るさの調整ができますので、こちらを使うのも一つの手です。

明るすぎる

RAW現像ソフトを初めて触ると、パラメーターを色々といじることで、限界はありますが、ある程度自由に明るさをコントロールすることができます。

カメラで撮ったままの、いわゆるJPG撮って出しといわれる状態では修正しようのなかった暗すぎる部分や明るすぎる部分も、RAW現像ソフトではある意味いじり放題です。

ですがこの考えが、僕は写真がダサくなる原因の一つではないかと思っています。

特にシャドウに関しては、JPG撮って出しでは見えなかったものが見えてきたりするので、楽しくなって持ち上げてしまいがちかと思いますが、本来暗い部分が持ち上げられて変に見えすぎていると違和感がありますし、映えを重視しすぎているのかなと僕は思います。

また、初心者のうちは、暗い=目立たないといった恐怖心を持っているような気がします。そういったことから本来暗くて見えるか見えないかくらいの明るさで良い部分も十分過ぎるくらいに明るくしてしまい、結果写真全体として落ち着きのない薄っぺらい印象のものに仕上がってしまうのだと思います。

光の質を再現する

大切なのは、シャドウが・ハイライトがなどと言う前に、全体の光の質・その時の雰囲気を再現できる露出はどのくらいかを考えることではないかと思います。

シャドウやハイライトといったハイダイナミックレンジをどうこうする前に、全体の露出を決めるのが一番大事なのではないかと思います。

露出を決めた上で、それでもどうしてもこの部分はもう少し見せておかないと写真としての説明ができないというのであれば、そのときに初めてハイダイナミックレンジをいじればよいのではと思います。

あくまで露出を決める順番は「全体」→「詳細」の順であるべきだと僕は考えています。そうでないと、詳細からいきなり決め始めると破綻することが多い気がします。

コントラストが強すぎる

RAW現像を初めて、まずハマってしまうのが、このコントラストを強くしすぎることではないでしょうか。

コントラストのパラメーターもですが、ライトルームで言う「明瞭度」やキャプチャーワンでいう「クラリティー」も上げてしまいがちです。

要は、手軽にインパクトのある絵ができあがるので、なんか物足りないなと思ったらとりあえずコントラストや明瞭度を上げてしまうのでしょうが、やりすぎると本当にダサくなると思います。

自分でRAW現像しているときは、目が麻痺してどんどんパラメーターを上げてしまいがちですので、注意が必要かと思います。

隠し味程度に、やってるかやってないか分からないくらいがちょうど良いと思います。

色を転ばせすぎる

RAW現像ソフトでは、カラーバランスや明暗別色補正、キャリブレーションなどといったパラメーターがあり、明るさごとに色味をいじれたり、そもそもの色相を変えたりすることができます。

これについても、やりすぎるとダサくなってしまいます。

そのダサさの要因には2つあると思います。

やりすぎてダサい

まず「やりすぎてダサい」です。

これは上のコントラスト問題と同じようなことで、色味をいじれるからといって、いじりすぎてやってるのがバレバレという話です。

RAW現像中は自分ひとりの世界に入ってしまい、自分の写真を客観的に見れなくなってしまいますが、いざ写真共有さいとなんかにアップしたときに、周りの写真と比べると違和感ありまくりで恥ずかしいことがよくあります。

見たことある感じになってダサい

これは好みの問題でもあるので、なんとも言いようがない部分もありますが、要は「あの人のあの写真の雰囲気に似てますね」なんてことを言われる写真ばかりだと、ダサいですよねということです。

自分の作風として極めていこうというのならいいと思うのですが、バズると思って人気の写真家の作風を真似てみたところ、あの人っぽいですねと一蹴されてしまうようなスタイルはダサいですよね。

YouTubeやブログなんかでも、「シネマ風に仕上げる方法!」みたいな特集があったりしますが、みんなそれをやっているので、慎重に検討する必要はあると思います。

でも、かく言う僕も、富士フイルムの「クラシックネガ」というプロファイルを結構気に入ってるので何とも言えない部分もありますが。。。

まずは中庸を目指したい

最終的にシャドウをいじるにしても、色をいじるにしても、まずは真ん中・中庸・スタンダードを身につけるのが重要ではないかと思っています。

身につけると言うか、中庸であるとはどういう状態かを意識しつつ、今自分のやっていることはやり過ぎなのか、やらなさ過ぎなのかという意識を持ちながらRAW現像をする、写真を撮るということがバランスの良い作品づくりにつながるのではないかと思います。

何はともあれ、平均が分からないと、今自分のやっていることが外れているのかどうなのか分からないので、特にRAW現像のやり始めは、奇をてらったことをやるだけでなく平均を目指してみるのはいかがでしょうか。

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