RAW現像の話

ライトルーム:「テクスチャ」「明瞭度」「かすみの除去」「シャープ」の使い分け

RAW現像の話

ライトルームにはテクスチャや明瞭度のように、鮮明さやコントラストを調整する機能がいくつかありますが、どいういう場面でどの機能を使えばよいのか分からないという問題を抱えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

今回の記事では、僕なりに各パラメーターの機能を整理して、役割分担を考えたいと思います。

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それぞれの機能を把握

「テクスチャ」は明瞭度とシャープの間くらいの効き具合

ちょっと印象を強くしたいのだけど、でも明瞭度ほどわざとらしいのは嫌だという場合に、このテクスチャというパラメーターが使えるかと思います。

個人的な印象としては、明瞭度は被写体の外側というか外観、縁のようなところに効いてくるような印象で、対してテクスチャは被写体の内側や明瞭度では届かない細かい部分に効いてくる印象です。

また、シャープよりも効果が分かりやすくシャープがかかるような感じもあり、シャープだけでは物足りないという場合にも使えるパラメーターかと思います。

「明瞭度」は押しが強くなるが、彩度は上がらない

明瞭度を上げると、コントラストが強くなり、ややガサっとした印象になります。

無骨で渋い印象になりますので、植物よりは硬めのものや建築物などに適用するとハマるのではと思います。

また、コントラストは上がりますが、彩度は上がりませんので、色味は変えずに押しの強い写真にしたいとき使えるパラメーターかと思います。

対してかすみの除去を同じ50だけ適用すると、特に植物の写真で彩度が極端に上がっているのが分かるかと思います。

押しの強さ、力強さだけを強調したい場合は明瞭度、彩度も含めてコントラストを上げたい場合はかすみの除去という使い分けがよいかと思います。

明瞭度50
かすみの除去50

「かすみの除去」には黒レベルを下げるような効果がある

かすみの除去を使うと、黒レベルを下げてメリハリを効かせたときのような効果が得られます。

特に逆光でフレアが発生したときにこのパラメーターを使うと、フレアのモヤッとした感じが取れて、くっきり仕上げることができます。逆にかすみの除去をマイナス方向に動かすと、フレアを発生させたような霞んだ印象に仕上げることも出来ます。

逆光で撮ったためにフレアが発生しましたが、かすみの除去を使うことでフレアを取り除くことができ、かつ彩度も少し上げたような印象になりました。
かすみの除去と黒レベルを下げるのは、効果がかなり似ていると思います。

また、明瞭度との違いは上でも見ていただいたように、コントラストが強くなるのに加えて、彩度も上がるという点かと思います。

なのであまりパラメーターを上げすぎると、無理に彩度を上げたような写真になっておかしくなりますので、適量を見分ける必要があります。

「シャープ」は、拡大して見るならかけた方が良い

シャープは、スマホなどの小さな画面で見るだけならかける必要はないと思います。

A3などにプリントするなどして、細部まで見られるようにするのであれば、かけた方が良いかもしれませんが、そうでなければ特に掛ける必要はないかと思います。

下の写真を見ていただいても、若干くっきりしているような気はしますが、大きく印象が変わるかと言うとそういうわけではありません。

細かく効く順に「シャープ < テクスチャ < 明瞭度 < かすみの除去」

ここまで見てきた検証を元に、各パラメーターの役割を整理したいと思います。

まず、タイトルの通り、細かく効く順に言うと「シャープ < テクスチャ < 明瞭度 < かすみの除去」かと思います。

また、それぞれのパラメーターについてまとめておくと、

◎シャープ・・・拡大して見るならかけた方が良い
◎テクスチャ・・・シャープと明瞭度の間の効き具合/隠し味程度に使うと効果的
◎明瞭度・・・コントラストが上がり押しが強くなるが、彩度はそのまま
◎かすみの除去・・・コントラストが上がり黒レベルを下げたような印象に/彩度も上がる

といったようなイメージかと思います。

テクスチャとかすみの除去の使用頻度が高い

個人的には、明瞭度はわざとらしくなるのでほぼ使っていません。

よく使うのはテクスチャとかすみの除去です。

ちょっと印象が弱いなと思ったときや無骨なものを撮ったときはテクスチャを使い、コントラストが低すぎるなと思ったときに手っ取り早くコントラストや彩度を上げるのにかすみの除去を使っています。

各パラメーターをマイナス方向で使うのもあり

マイナス方向で各パラメーターを使うと、いわゆるふわっとした写真に仕上げることができます。

ただ明瞭度をマイナスに振りすぎるとわざとらしくなるので、テクスチャやかすみの除去を使うのが良いと思います。

特にかすみの除去をマイナス方向に調整すると、熱気やフレア、春のかすみのような印象をつけることができると思うので、うまく使えるとよいパラメーターかと思います。

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