富士フイルムの人気のフィルムシュミレーションに「エテルナ / ETERNA」があります。
こちらのフィルムシュミレーションはコントラストや彩度がやや低く、シネマライクな雰囲気が手軽に楽しめるものですが、現像の仕方によっては中途半端な仕上がりになり、本来の魅力を引き出せないことになってしまうと思います。
今回は僕が思うエテルナを使った現像のコツをご紹介しようと思います。
「エテルナ / ETERNA」を使った作例いろいろ
まずはざっと作例をご覧ください。
シャドウに合わせるのがコツ
下の2枚の写真を見比べていただけますでしょうか。
1枚目はエテルナを適用しただけ。
2枚目はエテルナ適用に加えて、露出を-0.5しました。
エテルナの特徴としては、シャドウがやや浮き上がって全体的にふわっとしたような、もやっとしたような雰囲気が出ることがあると思います。
そういった特徴を活かすためには、思い切って露出を下げてみることだと思います。
露出を下げる、シャドウを暗くすることは結構勇気が要ることだと思います。
明るいハイキーな写真に比べて、薄暗い写真というのは目立ちにくい、印象に残りにくいといったイメージがあるかと思いますので、意図的に暗い方にもっていくのは勇気の要ることだと思います。
ですがエテルナを適用した上で適正な露出にしてしまうと、シャドウがふわっと持ち上がったような雰囲気を伝えづらいので、思い切って「若干薄暗いかな」くらいに持っていったほうが良いかと思います。
したの写真も、思い切ってかなり露出を下げています。
シャドウが持ち上がっているおかげで、思った以上に暗くはならなかったです。
彩度も低くなるので、色味が重要な場面ではほんの少しだけ彩度を上げても良いかと思います。
下の写真でいうと、「左下のテーブルと椅子のディテールがやや見えづらいな」くらいに露出を下げるのが良いと思います。
下のような写真では、葉っぱや枝をもっと見せたくなってキャプチャーワンでいうクラリティや、ライトルームでいう明瞭度などを上げたくなるところですが、エテルナの魅力はコントラストが低くてもやもやしたところなので、あまりそういったことはしない方がよいと思います。
ただ下の写真はあまりにももやもやしていたので、クラリティ・ストラクチャをそれぞれ30%くらい上げました。
エテルナは下のような日差しが強く、コントラストがきつくなりやすい場面でも、そういった光の質を保ちつつ落ち着いた印象に仕上げてくれるのが良いところだと思います。
ちなみに、上の写真のヒストグラムです。
上が「エテルナ / ETERNA」、下が「プロビア / PROVIA」です。
一番暗いところと、一番明るいところが使い切れていないことで、ふわっとしたシネマライクな雰囲気を演出できています。
上の写真は全て、下の機材で撮りました。