撮り方の話

構図の話|風景やスナップを撮るときのコツ的なもの

撮り方の話

風景やスナップを撮っていると、散漫だとか何を撮りたいのか分からない、何を見せたいのか分からないと言われることが多いと思います。

現地で、自分の目で見たときはとても感動するのですが、いざ写真にしてみるとなんかまとまりがないというか、バランスが悪い、いわゆる写真になっていないということがよくあると思います。

僕も未だにそういった悩みを抱えている一人ではあるのですが、2、3年カメラをやってきてコツまでも行かないですが、最低限気をつけることとして何となく最近思うことがありますので書いておきます。

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コツ|必ず「基準」はある

自分が良いなと思った風景や被写体には、必ず具体的に言葉にできるポイントがあります。

空の美しさなのか、大きな木なのか、可愛い動物なのか、リズムよくならんでいる何かなのか、それはそのときどきによって違うと思いますが、必ず良いと思うポイント、画になるポイントがあると思っています。

僕は、それが写真を撮る上での「見せたいもの」、言い換えると、撮る上での「基準」になるものだと考えています。

その「基準」が画角内においてバランス良く配置されていることが、まずは見られる写真にする上で重要なのではないかと考えています。

作例

大した作例ではございませんが、具体例をお見せしたいと思います。

下の桜の写真では、桜の枝が左斜上に伸びているところが印象的であり、この斜めに伸びるラインがバランス良く配置されるように気をつけました。

また、画面中央あたりにこちらを向いている桜があると思いますが、その桜が変に端に寄り過ぎたりしないようにも気をつけています。

次にこちらの木と池の写真ですが、正面の大木が画面内でバランス良く配置されるように気をつけました。

この日は晴れで青空が広がっており、また画面下の池や鴨も印象的ではあったのですが、まずは基準として印象的な大木がバランス良く配置されることが重要であろうと考えて、こういった構図にしています。

もし青空をもう少し強調したいのであれば、広角レンズを使って、低いアングルから見上げるようにして撮れば、大木が空に向かって伸びていくといった構図に仕上げることができたかと思います。

でも、何をするにしても、この大木が基準になっているということです。

木 その2

こちらの写真では、中央の木と木がクロスするようなところを基準にしています。

でもこのクロスする部分だけではなく、背後の空とふわふわの雲や、建物などにも順番に目はいくと思います。

見せたいもの(基準)しか伝わらないのではないかと心配になってしまいますが、周囲にある要素も、主題を引き立たせるサブ的な要素として目に入ると思いますので、心配しなくても大丈夫かと思います。

この写真では、右奥に向かって伸びていく浮島?がバランス良く写るように意識しました。また、やや左にある少し飛び出た「松」も目に飛び込んでくるポイントかと思いましたので、この松の木が変に端に寄り過ぎないようにしました。

あと、右奥の建物が中途半端に切れたり、端に寄り過ぎたりしないようにも気をつけ、全体としてバランス良く見えるように撮りました。

このように、基準となるものが複数ある場合もありますが、それぞれが変に強調されすぎず、端に寄りすぎずということに気をつけて、違和感のない画になるように気をつけています。

桜と建物

まずこの風景を見たときに、中央の桜が目に飛び込んできました。

なので、この桜をポイントとしてバランス良く構図を作るようにしました。

他にも後ろのフェンスと建物がクロスするような画が見えたので、桜の木とクロスがバランス良く配置されるように意識しました。

桜と建物と人

こちらも、桜の木とその下の人がポイントであると思いますので、それらがバランス良くなるように気をつけています。

線路・電線・空

こちらも2個前の桜の写真と同じような感じですね。

電線や線路が画面の中で斜めにバランス良く配置されるように意識しました。

また、中央の雲のモクモクと太陽の光も印象的だったので、これらがなるべく画面内の重要な位置にくるように丁度よいバランスを探して撮りました。

余談|撮りたいものを端に寄せすぎない

オシャレにしようと意識しすぎて、被写体を端に寄せすぎたりしてしまう場合があると思いますが、僕はなるべくそういったことがないように気をつけています。

下の画像のように、なるべく撮りたいもの、印象的なものが画角内における重要な部分(濃いグレーの中)に収まるように撮ります。

画角内において中央付近は、人間が一番最初に見てしまう場所であると思いますので、この部分に何かしらの要素があることが必要だと思います。

逆に何もない空が広がっていたり、ボケている部分しかなかったりするのは、人間の目からすると違和感を感じてしまうと思うので、なるべくそういった構図にならないように意識しています。

スカイツリーと夕焼け

こちらの写真では、中央のスカイツリーがポイントなので、まずはスカイツリーがバランスの良い位置にくるように構図を調整します。

また、夕焼けや雲の感じも印象的だったので、スカイツリーと空でバランスが取れるように意識します。

ただ、あまり空の要素を多くしすぎると、余程印象的な空でない限り何もない空間が広がっているようにしか見えないので、程よく町並みや車なども入れてバランスを撮るのが良いかと思います。

こちらのシーンでは、まず川が向こうの方へ伸びていくのを撮ろうと思いました。

また、夕焼け空も印象的だったので、川と空がバランス良くなるように考えて撮りました。

また、右側の建物のラインと川のラインが合わさって左奥に抜けていくようなイメージになっており、目線が夕焼け空にうまく誘導されていると思います。

オシャレなお店・正面写真

こういったオシャレなお店を撮るときには、どこを主たる被写体にして撮るべきか迷うことが多いと思います。

全体的にオシャレで可愛いからといって、お店を全部入れて撮ろうとするとただの観光写真や雑誌のお店紹介にしかならないと思います。

写真として、アートとして考えるのであれば、やはり撮る人自身が良いと感じる部分、印象的な被写体を抽出して、切り取る必要があるのかなと思います。

下の写真においては、僕としては花の飾ってある窓というところが印象的であると思ったので、中央やや右の花を基準として、上にも下にも寄せすぎずちょうどバランスのよい位置を探りました。

また、左上からバサッと垂れてくる植物もありましたので、こちらをアクセントにしつつ全体としてバランスの良い構図を目指しました。

鳥居と桜

こちらの写真は、タイトルとしては鳥居と桜ですが、着目したポイントとしては「桜」です。

桜が撮りたいというのを念頭に置きつつ、鳥居にうまく重なるところがあったので、そこを狙って撮っています。

この写真のように、「鳥居」と「桜」という2つの要素があると、どちらも見せたくて、鳥居全体が入るような構図にしてしまいがちですが、そうなると桜の写真ではなくなり、鳥居や神社の写真になってしまうと思います。

桜を主題にしたいのであれば、やはり桜が一番バランスの良い位置に来るように調整した上で、鳥居が変な位置で切れたり、変に傾いたりしないようにするという順序が必要だと思います。

被写体の良し悪しではない

今回の構図の話は、被写体の良し悪しに関係なく通じるものだと思います。

目の前に「富士山と初日の出」のような広がっていたとしても、道端の草花を撮るにしても、どこが一番強調すべきポイントなのか、どこを基準にして全体のバランスを取ればよいのかを考えることは、被写体に関係なく写真を撮る上で考える必要があることだと思います。

要は、スナップでバランスの良い写真が撮れないのに、絶景を前にして上手い写真が撮れるわけがないということです。

全然構図力が無いにも関わらず、絶景写真が良く見えているのは、それは絶景が良いからであって、写真が良いわけではないということだと思います。

この点はいつも自分に言い聞かせるようにしています。

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