撮り方の話

オリジナリティのある写真を撮るには

撮り方の話

最近こういった「考え方」の記事が増えてきておりますが、行き着く先は機材やトレンドではなく、良い写真とは何か・自分の写真とは何かというところだと思いますので、この先も写真に対する「考え方」についての情報はシェアしていこうと思います。

今回は「オリジナリティのある写真」をどう撮るかということについて考えました。

カメラを買ってすぐの頃は、目の前に来たものをただ撮るだけで、面白みのない写真を量産してしまいがちですが、そういった問題に対しての解決策としても少しはお役立ていただけるのではと思います。

スポンサーリンク

引くと「具体的」に、寄ると「抽象的」になる。

写真が上手くない人への否定的なコメントとして、よく「もっと寄った方がよい」という言葉を聞きますが、寄った方が「何が」良いのでしょうか?
逆に引いた写真は何がダメなのでしょうか。

これに対する結論としてはタイトルの通り、引くと具体的に、寄ると抽象的に見せることができるというのが一つのポイントになるのではと思っています。

要は、引いた写真は全体が見えるので、どこでどう撮った写真かが誰の目で見ても即座に理解できるので新鮮味がなくつまらないということなのではと思います。

しかも引いて撮ると関係の無いものが映り込みやすく、それらの情報を整理するのが難しいので、撮りたいものだけに夢中になっていると、あとで客観的に見てみると本当に撮りたいものが何だったのかがよく分からない写真になっており、他人から見るとただシャッターを押しているだけで、しかも何が見せたいのかよくわからないディスりたい放題の写真が出来上がってしまいます。

こういう引いた写真は「どこでどう撮ったか」が分かりやすいので、面白くないと言われがちだと思います。

寄るとどうなるか

対して、「寄る」とどうなるかという話ですが、寄るということはどこか一部に注目して切り取らなければいけないということです。
どこか一部を切り取るということは、周りの情報がどんどん減っていくということで、良い意味でも悪い意味でもその写真の情報量が少なくなっていきます。
情報量が少ないので見せたいものが明確になり、他人にとっても分かりやすい写真になるのだと思います。

また、分かりやすいのと同時に、どこを切り取るかを撮影者が選ぶことができるというのが「寄る」ことの醍醐味であると思います。
ここにオリジナリティを出すためのポイントが隠れているのではないでしょうか。
何に注目して、どこまで周りの状況を切り捨て、主題を画面のどこに配置するのかを撮影者の意思で決めることができるので、オリジナリティの高い写真が撮れる可能性が高くなると思います。
人と同じ場面を撮っても、見慣れた街中を撮っても、撮影者が切り取る部分を選ぶことで、かっこ良く言うと「あなたの写真」になるのではと思います。

ただ、あなたの写真といっても、それももしかしたら既に誰かによって確立されたスタイルであることが多いとは思うので、本当に世界中探しても誰もやっていない唯一無二のスタイルが構築できるわけではないということはご理解ください。

さらに寄って抽象的な写真に

寄ること・切り取ることに慣れてくると、目で見えない世界を表現することも可能になると思います。
これがいわゆる「抽象的な写真」であると僕は認識しています。

あまり良い例が無いので申し訳ありませんが、下の写真の写真のように、目の前にあるものをそのものとして写真に記録するのではなく、目の前にあるものの切り取り方や組み合わせによって、目で見えていたものとは全くことなる表現を目指すことも可能であるということです。

※表現が抽象的すぎて分かりにくかったらすみません。。。

被写体を被写体そのものとして捉えるのではなく、全く異なる「パターン」や「色の組み合わせ」「図形」を作り出すというイメージです。

要は、タイルをタイルとして捉えない、扉を扉として捉えないということです。

※また抽象的な表現になってしまっていますが。。。

インスタグラムなんかでもこういう「パターン」を作り出すような写真がめちゃくちゃ上手い方がいらっしゃいますが、そういう方の写真はどこでどう撮ったらそうなるのか、初見では分からない面白い写真が多いです。

寄りすぎることの問題点

寄ると見せたいものがはっきりしますが、寄ればなんでも良いというわけでもありません。

状況がつかめないので、観光写真などの記録には向かない

寄れば寄るほど抽象的に、初見ではどこで撮ったかも分からない写真になりますので、観光に行った記念に撮る写真、思い出を振り返るための写真には、こういった表現は向いていないと思います。

抽象的な写真はどこでも撮れることがメリットなので、どこでも撮れる表現を、いつも行けるわけでもない観光という非日常の世界に持ち込むのは、相性を考えたときに相対するものであると思います。

逆に言うと、どこでも撮れる表現であるからこそ、見慣れた風景の中でのスナップなどで活かすべき技術であるのではないでしょうか。

観光に行ったときや、普段出会わない被写体に出会ったときは、それこそが非日常であるので、被写体のパワーを存分に活かした写真を撮られてはいかがでしょうか。

タイトルとURLをコピーしました