撮り方の話

富士フイルム X-Tシリーズはアナログダイヤルでマニュアル撮影を楽しむべき / マニュアル露出の考え方

X-T5やその他X-Tシリーズの特徴と言えば軍艦部のアナログダイヤルですが、皆様こちらのダイヤル操作をどのように楽しまれていますでしょうか。

僕はX-T3ユーザーでかれこれ5年くらいこちらの機種を使ってきているのですが、最近はスナップ撮影においてマニュアル露出を使うことが増えてきており、改めてダイヤル操作が楽しいなと感じております。

スナップでマニュアル撮影というと毎回設定が面倒なのではと思われるかもしれないですが、全然そんなことはないですし、むしろ露出がバラけず撮り直しも楽で、何より自分で露出をすべてコントロールしているというところが、写真を撮っているなと実感させてくれます。

また、露出だけでなく、最近はホワイトバランスも常に5000k固定にしているのですが、こうすることで日陰が青いということも実感でき、RAW現像でも無理矢理赤みを足さず青いまま残しておこうという考えも持つことができます。なんでも中庸にもっていくのではなく、その場の空気感を残すことも必要なのだと思いました。

何かを固定すること、その都度その場の状況に合わせないことで、世界の見え方や変化が分かるのではと感じています。

スナップにおけるマニュアル露出の設定

それでは、僕がマニュアル露出においてよく使う設定や考え方を紹介していこうと思います。

ISO感度

スナップにおける露出の設定ですが、僕はまずISOは200に固定しています。
X-T3の最低感度が160なのですが、数値が中途半端なので200にしており、晴れた日の日中はほぼ200のまま撮り続けます。
イメージとして、ISOという土台・ベースがあり、その上で絞りとシャッタスピードを調整するという考え方をもっていただくとマニュアル露出が理解しやすいと思います。

絞り

次に絞りですが、レンズのクセや特徴、持ち味を楽しむという考えを元にするのであれば、絞り開放が良いと思います。絞ってしまうとシャープには映りますがそのレンズならではという視点がなくなってしまうので、絞り開放を基準に、もし明るすぎるのであれば1段もしくは2段絞るといったように調整するのが良いと思います。

絶対に何が何でも日中にf1.4で撮りたいというのであれば、NDフィルターを付ければ良いと思います。
ND8か16くらいあれば3段~4段落とせるので、f1.4であればf4~5.6くらい露出を落とせます。

NDフィルターを買う場合はレンズに記載されているサイズに合うものを選ぶか、大きめのものを選んでステップアップリングで調整してください。

シャッタスピード

最後にシャッタスピードです。ISOと絞りで決めた露出を微調整するイメージで僕はシャッタスピードを使っています。明るさがほぼ変わらないようであればシャッタスピードの微調整だけで撮影を進めていくことが可能です。
一見、絞り優先モードとほぼやっていることは変わらないといえばそうなのですが、絞り優先だとカメラを向ける被写体の明るさで微妙に露出が変わるのが自分としては嫌で、似たようなシーンであれば同じ露出で撮り続けたいという思いがあります。少し陰ってしまっても、それも陰ったことによる暗さを表現することが重要だと思うので、被写体の明るさが変化しても露出の変わらないマニュアル露出がおすすめです。
絞り優先モードでの露出固定にAEロックを使えばいいじゃないかという考えもありますが、AEロックすることを忘れることが多々あり、AEロックして撮り直すのもストレスなので、露出を固定したいなら初めからマニュアル露出で良いかと思っています。

コマンドダイヤルは使わない

アナログダイヤルのあるX-Tシリーズならではの楽しみ方として、シャッタスピードをコマンドダイヤルに割り振らずアナログダイヤルのみで操作してほしいという思いがあります。
アナログダイヤルのみで操作するとなると、1段・1EVずつしか調整できないのですが、スナップに関してはこれくらいざっくりで良いと思っています。むしろ、あえて1段ずつしか調整できないという縛りを設けることで、ちょっと明るいちょっと暗いといった写真を撮って、そういう表現もありかもというような新しい世界を発見することを楽しんでほしいと思います。
正直、明るさの微調整はRAW現像する場合は後からなんとでもなると言えばなんとでもなるので、1/3や2/3くらいの露出のズレはその場では気にしなくてもよいと思います。

アナログ操作を楽しむ

中には、X-T5を買いましたがISOとシャッタスピードは前後のコマンドダイヤルに割り振ってますという方がいるようですが、本当にもったいないことをしているなと思います。右手だけですべての操作が完結するから楽ですとも言っていたように記憶していますが、楽に良い写真を撮りたいのであれば他に買うべきカメラはあると思いますし、全自動で撮ればすべてうまくいく方向に大部分が向かっている中であえて自分で操作する楽しみを与えてくれるのがX-T5やその他X-Tシリーズ、ニコンのZfであったりすると思いますので、僕はこの先もX-T3でマニュアル撮影を楽しみたいと思います。

まとめると、

◎暗い明るい・赤い青いを実感してほしい。
◎自分なりの設定や考え方、哲学を見つけてほしい。
◎縛りを設けるなど、ある程度不便な中での自由を楽しんでほしい。

といったところです。

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