ソニーよりAPS-Cセンサーサイズのミラーレス一眼「a6600」と「a6100」が発表されました。
僕はずっとa6500を使ってきたので、a6500ユーザー目線から見たこれら新機種の良いところやそうでもないところについてコメントしていきたいと思います。
気になるスペック
気になる部分は色付きにしています。
a6600(New) | a6100(New) | a6400 | a6500 | |
センサー | 2420万画素 APS-C | 2420万画素 APS-C | 2420万画素 APS-C | 2420万画素 APS-C |
最高感度 | 102,400 | 51,200 | 102,400 | 512,000 |
最低感度 | 50 | 100 | 100 | 100 |
AF速度 | 0.02秒 | 0.02秒 | 0.02秒 | 0.05秒 |
AF仕様 | 425点(位相差AF) | 425点(位相差AF) | 425点(位相差AF) | 425点(位相差AF) |
425点(コントラスト検出AF) | 425点(コントラスト検出AF) | 425点(コントラスト検出AF) | 169点(コントラスト検出AF) | |
シャッタースピード | 1/4,000〜30秒 | 1/4,000〜30秒 | 1/4,000〜30秒 | 1/4,000〜30秒 |
連続撮影枚数 | JPEGエクストラファインL:99フレーム、 | JPEGエクストラファインL:76フレーム、 | JPEGエクストラファインL:99フレーム、 | JPEG Lサイズ エクストラファイン:233枚 |
JPEGファインL:115フレーム、 | JPEGファインL:77フレーム、 | JPEGファインL:115フレーム、 | JPEG Lサイズ ファイン:269枚 | |
JPEGスタンダードL:116フレーム、 | JPEGスタンダードL:77フレーム、 | JPEGスタンダードL:116フレーム、 | JPEG Lサイズ スタンダード:301枚 | |
RAW:46フレーム、 | RAW:33フレーム、 | RAW:46フレーム、 | RAW:107枚 | |
RAW&JPEG:44フレーム | RAW&JPEG:31フレーム | RAW&JPEG:44フレーム | RAW+JPEG:100枚 | |
瞳AF | リアルタイム | リアルタイム | リアルタイム | ● |
人と動物瞳AF | 人と動物瞳AF | 人と動物瞳AF | ||
トラッキング | リアルタイムトラッキング | リアルタイムトラッキング | リアルタイムトラッキング | |
インターバル撮影 | ● | ● | ● | |
ボディ内手振れ補正 | ボディ内5軸手ぶれ補正 | ボディ内5軸手ぶれ補正 | ||
5.0段分 | 5.0段分 | |||
動画 | 4K30 HDR | 4K30 | 4K30 HDR | 4K30 |
動画リアルタイムトラッキング | ● | ● | ● | |
動画瞳AF | リアルタイム瞳AF | |||
背面パネル | 180度回転タッチパネル | 180度回転タッチパネル | 上約180度・下74度タッチパネル | 上90度・下45度タッチパネル |
3型約92万ドット | 3型92万ドット | 3型92万ドット | 3型92万ドット | |
EVF | 236万ドット | 144万ドット | 236万ドット | 236万ドット |
バッテリー | Zバッテリー | Wバッテリー(420枚) | NP-FW50 | NP-FW50 |
約720枚(ファインダー) | 約380枚(ファインダー) | 約360枚(ファインダー) | ファインダー使用時:約310枚 | |
約810ショット(LCDモニター) | 約420ショット(液晶モニター) | 約410枚(液晶モニター) | 液晶モニター使用時:約350枚 | |
質量 | 503g(バッテリー、メモリーカード含む) | 403g(バッテリー、メモリーカード含む) | 403g(バッテリー、メモリーカード含む) | 約453g (バッテリーとメモリカードを含む) |
サイズ | 120×66.9×59mm | 120×66.9×49.9mm | 約120.0(幅) x 66.9(高さ) x 49.9 (奥行き)mm (グリップからモニターまで) | 約120.0(幅) x 66.9(高さ) x 53.3 (奥行き)mm (グリップからモニターまで) |
販売価格 | 16万円前後 | 9万円前後 | 100,756円 (アマゾン2019.8.30現在) | 111,180円 (アマゾン2019.8.30現在) |
防塵防滴仕様 | 不明 | 不明 | 防塵・防滴に配慮した設計 | 防塵・防滴に配慮した設計 |
気になった機能・特徴についてマトリクスにまとめてみました。
特に気になった部分については青字(良いなと思うところ)もしくは赤字(納得しかねるところ)にしています。
a6500やa6400については下のソニー公式の情報を参考にしています。
リアルタイム瞳AF
シャッターボタンを半押しするだけで瞳を検出してくれる機能です。
a6500までは瞳AFを割り当てたいずれかのボタンを押さないとこの機能が使えなかったことを考えると、シャッターボタン半押しだけで瞳AFを使えることは大きなメリットです。
また、動物の瞳にも反応する動物瞳AFも備えているとのことで、この機能は他社のカメラにはないかと思います。愛犬・愛猫を撮られる方にとっては嬉しい機能なのではないでしょうか。
手ぶれ補正
手ぶれ補正はa6600にしか搭載されないようです。
手ぶれ補正が威力を発揮する場面は、MFで拡大表示してピントを合わせるときと、動画撮影をするときかと思います。
僕は動画はあまり撮らないので、MFのことを言います。
僕は手ぶれ補正のついているa6500を使っており、最近手ぶれ補正のついていないX-T3を購入しましたが、ピント拡大中の手ぶれが結構気になりました。
拡大表示すると、通常表示よりも細かなブレが気になりますので、ピント合わせがやや難しくなるかと思います。
普通に撮影する分については、シャッタースピードが1/125秒くらい確保できていれば手ぶれ補正が無くても一応撮れるのは撮れますが、無いよりはあった方が良いというのは間違いないです。
ピント合わせ中の安定感が全く違います。
一方で、手ぶれ補正があるからといって、1/5秒といったスローシャッターで撮れるかというとそういうわけではなくブレてしまいますので、あくまでピント拡大などで活きる機能と考えておいたほうが良いかと思います。
背面パネル
a6500を使っていたときの不満点として、背面パネル・背面液晶があまり綺麗ではない(主観ですみませんが)というものがありました。
解像度が粗いというわけではないのですが、なんかこう一昔前というか足りてない感じというか。
なので、新機種の登場で背面液晶の改良もなされるかと思っていましたが、ドット数については既存の機種とかわらずということで、現状維持といって良いかと思います。
ちなみに、富士フイルムのX-T3が104万ドットで、a6500とは圧倒的に美しさが違います。
液晶の美しさに関してはX-T3にまだまだ劣っていると思います。
ソニーもX-T3くらいの液晶を目指してほしいと思います。
a6600はカスタムボタンが1つ増えている!
a6600にはカスタムボタンがC4まであります。
a6500でストロボがついていた部分からストロボがなくなり、ストロボを起動させるボタンが無くなりました。
その代わりにMENUボタンが左にずれて、その横に新たにカスタムボタンが追加されています。
対してa6100にはカスタムボタンがC2までしかありません。
AF/MFとAELを切り替えるセレクターもありません。
カスタムボタンは多いに越したことはないと思っています。
わざわざメニューを開いて設定を変えるのは結構わずらわしいので、撮影シーンによって細かく設定を変えていきたい方は、カスタムボタンの多い機種を選ぶのが正解かと思います。
僕は、ISO感度やピント拡大、サイレント撮影、フォーカスモード、フォーカスエリア、AF/MF切り替え、AEロックなどをa6500登録したり変更したりしてきましたが、もっとカスタムボタンがほしいと毎回思っています。
逆にほとんどAモードで撮って、たまにMモードにするくらいのライトユーザーの方はカスタムボタンが増えたことの恩恵を受けにくいと思いますので、カスタムボタンの数にこだわる必要はないかと思います。
質量・重さ
a6600の503gがどこまで重いのかという点が気になりますね。
ちなみに富士フイルムのX-T3は539g(メモリーカード・バッテリー含む)で、さらにXF35mmf2レンズをつけると、結構ずっしりきます。
正直、とりあえずかばんに入れておこうかなとは思えない重さです。
a6500が453gで、実際に使っていて、これ以上重くなるとAPS-Cセンサーサイズのカメラとしての魅力がなくなるなと感じています。
多くのユーザーの方はAPS-Cセンサー搭載のカメラにはコンパクトさ、持ち運びやすさ、軽さなどを求めていると思いますので、このa6600の503gという重さに関しては少し慎重になるべきかなと思いました。
価格
a6500を僕が買ったときの値段が約12万円だったのに比べると、a6600の16万円という価格はかなり高いと思います。
リアルタイム瞳AFやタッチトラッキング、Zバッテリー採用という点を考えても、かなり高い気がします。
a6500から圧倒的な進化を遂げたと思えるならまだしも、ボディの形状もほぼ同じ、カスタムボタンの数もほぼ同じ、4k60pも撮れない、背面液晶のドット数も同じなど、改良されていない部分を見ると、ここまで価格をつり上げることには正直納得は出来ないですね。
一方でa6100の9万円前後という価格については、ぎりぎりありかなと思います。
軽くて、リアルタイム瞳AF・動物瞳AFなどを搭載し、AF速度も業界屈指、といった点を考えると10万円を切る価格というのは、まあ妥当なのではと感じました。
a6500は生産完了に
デジカメウォッチの記事を見ましたが、a6500は生産完了のようです。
切なすぎます。
ソニーのAPS-C機ラインナップでは、α6500とα5100(EVF非搭載のローエンド機)が生産完了となり、ラインナップはα6600、α6400(手ブレ補正非搭載)、α6100(同時発表の新製品)、α6000(EVF内蔵のローエンド機)の4機種となる。その中でα6600は、唯一のボディ内手ブレ補正搭載機となっている。
デジカメウォッチ:ソニー、ボディ内手ブレ補正搭載のAPS-Cミラーレス「α6600」https://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/1203982.html
APS-C機種のフラッグシップ機とされておきながら、リアルタイム瞳AFなどのアップデートは一切適用されずほったらかしにされていたと思ったら、そもそも生産完了予定だったんですね。
メーカーとしてはa6600を売りたいので、手ぶれ補正や大容量のバッファを備えた魅力的な機種であるa6500には当然アップデートを適用したくないわけです。
a6500にアップデートを入れて、中古のa6500なんかに注目が集まると、a6600への注目が薄れてしまいますからね。
a6600の次の機種に期待したい
a6600とa6100の発表までは、a6500の後継機としてa9と同等のスペックを搭載した、ミニa9とも言える機種(a6700)が発表されると噂されていました。
ただ今回発表されたのはa6600でした。
そしてローエンド機としてa6100も発表され、現状の機種としてはa6000、a6100、a6400、a6600となっています。
完全に個人的な見解ですが、ある程度このまま6000番台を刻みながら徐々に高スペックの機種を送り出してくるのではと考えています。
過去にも、a6300が出た直後にもa6500をソニーは出してきました。
a6600とa6100が出たからと言ってどれにしようか迷うのは、まだ早いのではと思います。
恐らくソニーは、さらにインパクトのある機能を搭載したa6000番台の機種を出してくるような気がします。
なので一旦a6600については購入を保留しようかと思います。