撮り方の話

写真の分析|安定した構図で撮るために

撮り方の話

写真がうまくなるためには、よく「人の写真を見ろ」と言われますが、一体何を見たら良いのでしょうか。

初心者の方にとっては、勿論僕もまだまだ初心者ですが、人の写真の見方がわからないのではと思います。

今回は、その「人の写真の見方」「分析方法」について、僕なりに考えた手法をお伝えしようかと思います。

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1.画面の上下左右で「何がどこまで」画角に収まっているか

人の写真を見て、この写真バランスが良いな・何が撮りたいか明確で良いなと思った場合は、まず表題の通り「何がどこまで」画角内に収まっているかを見るようにしています。

写真は、画面の中に何をどこまで入れるかによって、その場の情景を説明・記録するツールなので、人が撮った写真を見たときに、画角内に収まっているものについてはその写真を説明するために必要な要素であるはずだと考えることができます。

もちろん、安定した技術を持った上級者と、たまたま撮れてしまった初心者を見分ける必要はありますが。


例えばですが、下の写真ではあえて右端に木を入れています。
木を入れることで、何となくこの場所の雰囲気が伝わりやすくなるのではと思います。
また、画面の端にこういった何かしらの要素があることで、画面の締りが良いように思います。
もし木が無かったとしたら、それこそ意味もなく右側が空いてしまい、バランスが悪い絵になってしまうと思います。


次に下の写真ですが、こちらは左端に窓を、右端に青色の壁をあえて入れています。
あえて入れてはいるのですが、入れすぎはせず、主たる被写体である中央の扉とシマシマのひさしのようなものを邪魔しないように意識しています。

こちらも左右の窓と壁のおかげで、大体どんな場所だったかが、ある程度写真を見た人の想像に任されつつ伝わるのではないでしょうか。


下の写真は、「模型」という看板が主題なので、中央に配置しようかと一瞬迷うところではありますが、右側の窓はそこまで説明せずに、左側のシャッターの方が年季が入っていてこっちを多めに入れたほうがカッコいいなと思ったので、窓の要素は少なめにしました。

ですが、窓を完全にゼロにしてしまうとこの場所のイメージが湧きにくくなると思ったので、バランスの良いところを探って画面構成することにしました。

2.画面の「中央」にあるものは何か

画面の中央というのは、構図を考える上でとても重要な要素だと思っています。

よく日の丸構図はダサいなどと言われますが、逆に画面の中央に何もないというのも、構図によってはすごく不安定に見えると思います。

写真は人間が見るものなので、人間がどういうところをまず見てしまうかということを考えることが大事だと思うのですが、そういう意味では画角内において中央付近というのはまず最初に人間の目が行くところだと思うので、構図を考える上でとても重要な要素だと思います。

人の写真を見たときに、中央に印象的なものが配置されていた場合、その写真を撮った人は、中央にあるその印象的なものを中心に構図を整えていると推測することができるので、ある意味その人と同じような経験を積んだと言えるかもしれないです。


下の写真は2枚とも中央付近に主題を配置するようにしています。
まずは中央に配置してみて、上下左右に変な隙間ができていないか、背景もうまく活かせているかなど、バランスを見ながら調整しています。


下の写真なんかは、左下のオレンジのレンガが良いアクセントになったと思います。
ですが、まずは中央の紫陽花が主であるという軸があるからこそ周囲の環境をどこまで取り入れるかというバランス調整がやりやすくなるわけです。

3.画面の中で一番多い「要素」は何か

画面の中で写っている面積が大きものほど撮り手が撮りたかったものであると、見る人には認識されます。

例えば下の写真でも、右側の壁の割合を多くするのか、水面を多くするのか、背後の町並みを多くするのかで随分印象が変わります。

写真を見たときに、どの要素が一番多いのか、その一番多い要素を中心として、それ以外の周囲の要素をどこまで画角内に収めているかを見ることで、その人がどういう意図でその写真を撮ったのか、なぜバランスがよく見えるのかなどが見やすくなるかと思います。

要は「抽象化」すること

ポイントとしては、写真に写っている要素や配置を抽象化することかと思います。
写っているものを都度具体的に見るのではなく、一つの要素としてどう配置されているのかが重要なのではと思います。

風景だからどう、ポートレートだからどう、花だからどう、人だからどうという風に都度考え方を変えるのではなく、どういった要素が、どういった配置で、どのくらいの割合で画角内に収まっているのかということを意識することで、あらゆる被写体に使えるノウハウが身につくのではと僕は思っています。

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