ズームレンズは広い範囲をカバーできる長めのものを買っておけばよいかというと、そういうわけでもないと思うので、今回はその理由を説明していきたいと思います。
長めの焦点距離のレンズを買うのは止めた方が良い
大は小を兼ねる理論を適用すべきでない
カメラのレンズに関しては、焦点距離が長いほうが良いという理論は適用できないと思います。
それぞれの焦点距離に写り方の違いがあり、それぞれのレンズに使い心地の違いがあると思います。
焦点距離によって写り方が違う
まず、レンズの焦点距離によって写り方は異なるので、それを理解するためにも、とりあえず長めのレンズを買うのではなく、このくらいの焦点距離があればこういった写真が撮れるからこのレンズを買う、といった考え方を持つのがよいと思います。
画面に写る被写体の大きさは同じでも、広角で寄って撮るか、望遠で遠くからアップにするかでは見え方が違うので、カメラのレンズにはいわゆる大は小を兼ねる理論は当てはまらないです。
上の写真は広角で、下の写真は望遠で撮っていますが、見え方がぜんぜん違うと思います。
望遠レンズは重い
長い焦点距離を網羅できるレンズは重くなりがちな気がします。
特に焦点距離が長く、かつF4やF2.8となるとそれなりの光学性能を備えていなければいけないと思うので、重くなりがちなのだと思います。
使用頻度の高くない長めの焦点距離のレンズを買うのではなく、使用頻度の高い焦点距離までのレンズにしておいた方が扱いやすいと思います。
ロックスイッチが無いとレンズが勝手に伸びてくる
レンズにもよると思いますが、僕が使っているXF16-80mmF4 R OIS WRというレンズは、写真を確認するためにカメラを下に向けていると、勝手にレンズが伸びてきます。
これが地味に鬱陶しいです。
高いレンズには、レンズが伸びるのを止めるロックスイッチのようなものがついている?ものもあるのでしょうが、このレンズにはついていないので、仮に50mmで撮って写真を確認してまた撮ろうと思ってファインダーを再度覗くと、レンズが80mmまで伸びていてめちゃくちゃアップになっているので、また50mmまで戻して撮るといった二度手間が発生します。
不必要に長い焦点距離のレンズを使うと、こういった微調整の手間が発生するので、望遠側は使用頻度の高い焦点距離のものを買うのがよいと思います。
テレ端を基準に選ぶべき理由
引くことができるレンズと考えるべき
レンズが勝手に伸びることなども踏まえると、ズームレンズは引くことが出来る単焦点レンズのようなイメージで捉えるのが良いかと思います。
まずは一番ズームした状態で構えてみて、それでも写る範囲が狭すぎる、アップすぎる場合は広角に調整していくといったように、微調整は理由があって初めてすべきだと思います。
そうしないと、そのレンズ・その立ち位置でなぜそのように写るのか、どうすればもっとよく撮れていたかなどの反省がしづらくなると思います。
一つ一つの行動に意味や理由を持たせることで、後々反省や改善につなげやすくなると思います。
どういうズームレンズを選べばよいか
日常使いやスナップ、テーブルフォトなどにはフルサイズ換算で85mmのズームレンズがあればほぼ困ることはないと思います。これ以上長くなってくると大きく写りすぎて使いづらいので、今自分が見ている範囲のものをそれなりの大きさで写せれば良いと考えるなら、フルサイズ換算で85mm(APS-Cなら56mmくらい)のズームレンズがおすすめです。
身の回りのもの+少し高めのところにある桜なども撮りたい場合は、XF16-80mmF4 R OIS WRのような換算120mmや135mmくらいのレンズがおすすめです。
換算85mmだと思ったほど大きく写せないことも多いので、そういった場合は少し長めのズームレンズを検討しても良いかと思います。